ガランガラのブログ

数学や好きな音楽について書くことが多いです。

局所同相写像は連続かつ開

ここでは, 局所同相写像連続写像であり, かつ開写像であることを示します.

それぞれの定義は次の通りです.

 

定義 1.  X, Y位相空間とする. 写像  f :  X \to Y について

 (1)  f連続写像であるとは, 任意の  Y の開集合  V の逆像  f^{-1}(V) X の開集合となることをいう. また,  f同相写像であるとは,  f が連続な全単射写像であり, 逆写像  f^{-1}連続写像となることをいう.

 (2)  f写像であるとは, 任意の  X の開集合  U の像  f(U) Y の開集合となることをいう.

 (3)  f局所同相写像であるとは, 任意の  X の点  x に対して,  x を含む開集合  U が存在して,  f(U) Y の開集合でありかつ  f U への制限  f |_{U} : U \to f(U)同相写像となることをいう.

 

定義ができたので早速局所同相写像連続写像であり, かつ開写像であることを示していきましょう.

 

命題 2.  f : X \to Y を局所同相写像とする. このとき,  f連続写像であり, かつ開写像である.

 

証明 まず連続性を示す. 任意の  Y の開集合  V をとる. このとき,  f^{-1}(V) X の開集合であることを示したい.  f は局所同相写像なので, 任意の元  x \in f^{-1}(V) に対して, ある  X の開集合  U_{x} が存在して,  f(U_{x}) Y の開集合でありかつ  f U_{x} への制限  f |_{U_{x}} : U_{x} \to f(U_{x})同相写像となる. ここで

 f^{-1}(V) = \bigcup_{x \in f^{-1}(V)} (f^{-1}(V) \cap U_{x})

であるから, 各  x \in f^{-1}(V) X の開集合であることを示せばよい.  V \cap f(U_{x}) \subset f(U_{x}) であり,  V, f(U_{x}) はどちらも  Y の開集合であるので,  V \cap f(U_{x}) Y の開集合であり, 部分空間  f(U_{x}) の開集合である.  f |_{U_{x}} : U_{x} \to f(U_{x})同相写像で特に連続写像であるので

 f^{-1}(V) \cap U_{x} = (f |_{U_{x}})^{-1}(V \cap f(U_{x}))

は部分空間  U_{x} の開集合である. 相対位相の定義から, ある  X の開集合  W_{x} が存在し,  (f^{-1}(V) \cap U_{x}) = W_{x} \cap U_{x} となる.  U_{x}, W_{x} はともに  X の開集合なので,  (f^{-1}(V) \cap U_{x}) = W_{x} \cap U_{x} X の開集合であることがわかるので,  f連続写像である.

 

次に開写像であることを示す. 任意の  X の開集合  U をとる.  f は局所同相写像なので, 任意の  U の元  x に対し,  x を含む  X の開集合  U_{x} が存在し,  f(U_{x}) Y の開集合でありかつ  f U_{x} への制限  f |_{U_{x}} : U_{x} \to f(U_{x})同相写像となる. ここで

 f(U) = f(\bigcup_{x \in U} (U \cap U_{x})) = \bigcup_{x \in U} f(U \cap U_{x})

であるから, 各  f(U \cap U_{x}) Y の開集合であることを示せばよい.  f(U \cap U_{x}) \subset f(U_{x}) であり,  U \cap U_{x} U_{x} の開集合であるから各  f(U \cap U_{x}) f |_{U_{x}}同相写像なので, 部分空間  f(U_{x}) の開集合である. 相対位相の定義から  Y の開集合  Z_{x} が存在して  f(U \cap U_{x}) = f(U_{x}) \cap W_{x} となる.  f(U_{x}), W_{x} はともに  Y の開集合なので,   f(U \cap U_{x}) Y の開集合である. よって  f は開写像である. (終)

 

「開集合」といってもどの空間での開集合であるかを気にしないといけないので, いざ証明してみると記述が面倒になりました. 相対位相のあたりで工夫すればもっときれいになるかもしれません.

 

今回はこれで終わります.

 

何か間違いなどがあれば教えてください.

 

【参考文献】