局所同相写像は連続かつ開
ここでは, 局所同相写像は連続写像であり, かつ開写像であることを示します.
それぞれの定義は次の通りです.
が連続写像であるとは, 任意の の開集合 の逆像 が の開集合となることをいう. また, が同相写像であるとは, が連続な全単射写像であり, 逆写像 も連続写像となることをいう.
が開写像であるとは, 任意の の開集合 の像 が の開集合となることをいう.
が局所同相写像であるとは, 任意の の点 に対して, を含む開集合 が存在して, が の開集合でありかつ の への制限 が同相写像となることをいう.
定義ができたので早速局所同相写像が連続写像であり, かつ開写像であることを示していきましょう.
命題 2. を局所同相写像とする. このとき, は連続写像であり, かつ開写像である.
証明 まず連続性を示す. 任意の の開集合 をとる. このとき, が の開集合であることを示したい. は局所同相写像なので, 任意の元 に対して, ある の開集合 が存在して, が の開集合でありかつ の への制限 が同相写像となる. ここで
であるから, 各 が の開集合であることを示せばよい. であり, はどちらも の開集合であるので, は の開集合であり, 部分空間 の開集合である. は同相写像で特に連続写像であるので
は部分空間 の開集合である. 相対位相の定義から, ある の開集合 が存在し, となる. はともに の開集合なので, は の開集合であることがわかるので, は連続写像である.
次に開写像であることを示す. 任意の の開集合 をとる. は局所同相写像なので, 任意の の元 に対し, を含む の開集合 が存在し, は の開集合でありかつ の への制限 が同相写像となる. ここで
であるから, 各 が の開集合であることを示せばよい. であり, は の開集合であるから各 は が同相写像なので, 部分空間 の開集合である. 相対位相の定義から の開集合 が存在して となる. はともに の開集合なので, は の開集合である. よって は開写像である. (終)
「開集合」といってもどの空間での開集合であるかを気にしないといけないので, いざ証明してみると記述が面倒になりました. 相対位相のあたりで工夫すればもっときれいになるかもしれません.
今回はこれで終わります.
何か間違いなどがあれば教えてください.
【参考文献】