ガランガラのブログ

数学や好きな音楽について書くことが多いです。

位数2023の群

あけましておめでとうございます.  2023 年になりました.

 2023 ということで, ここでは位数  2023 の群を決定しようと思います.

命題 1. 位数  2023 の群はアーベル群であり, 次のいずれかと同型になる.

  •  \mathbb{Z}/{7 \mathbb{Z}} \times \mathbb{Z}/{289 \mathbb{Z}}
  •  \mathbb{Z}/{7 \mathbb{Z}} \times \mathbb{Z}/{17 \mathbb{Z}} \times \mathbb{Z}/{17 \mathbb{Z}} 

証明  G を位数  2023 の群とする. 

 2023 = 7 \times 17^{2}

であるので, シロー  7 部分群  H と シロー  17 部分群  K が存在する. このとき,  H の位数は  7素数なので  H \cong \mathbb{Z}/{7 \mathbb{Z}} となり,  K の位数は  17^{2} で, 素数 2 乗なのでアーベル群となり,  K \cong \mathbb{Z}/{289 \mathbb{Z}} もしくは  K \cong \mathbb{Z}/{17 \mathbb{Z}} \times \mathbb{Z}/{17 \mathbb{Z}} となる. それぞれの共役の個数を  s,\ t とすると,  s,\ t 2023 の約数であり,

 s \equiv 1 \mod 17,

 t \equiv 1 \mod 7

が成り立つが, 

 17 \equiv 3 \mod 7,

 7 \equiv 7 \mod 17

より,  s = t = 1 しかありえない. よってそれぞれの共役は  1 個ずつ存在するので,  H,\ K はともに  G正規部分群であり,  G \cong H \times K となる. よって命題の主張が成り立つ. (終)

 

今回はこれで終わります.

 

何か間違いなどがあれば教えてください.

 

【参考文献】