初学者向け群論解説 その17 ~準同型定理その3(準同型の分解)~
前回は第二同型定理, 第三同型定理についてまとめました.
今回は準同型の分解についてまとめます.
定理 1.(準同型の分解) を群とし, を準同型とする. さらに を正規部分群とし, を自然な全射準同型とする. このとき下図が可換図式となるような準同型 が存在するための必要十分条件は となることである.
\begin{xy} \xymatrix{ G \ar[r]^{\phi} \ar[d]_{\pi} & H \\ G/{N} \ar@{.>}[ur]_{\psi} } \end{xy}
証明 条件をみたすような準同型 が存在したとする. すると, となり OK.
逆に とする. このとき第二同型定理より, 準同型 が存在する. すると自然な全射準同型 に対して, 準同型定理より 準同型 で となるものが存在する. 明らかに なので, とおけば OK. (終)
これで一応準同型定理についてまとめ終わりました. 引き続き群の作用などもまとめていこうと思います.
今回はこれで終わります.
何か間違いなどがあれば教えてください.
[参考文献]